kaosとの出会い
私が随分と前の学生だった頃、グラフィックデザイン勉強中に隣に座ったオカッパ頭の女の子。今どきオカッパだし、声が大きくておまけにちょー高い。駅の階段の下から私の名前を呼び、いや叫び駅中の人に名前を覚えられてしまった。そんな彼女と親しくなるにつれて、実はかなり繊細な女の子だと気づくようになり、彼女が亡くなって15年過ぎた今。思い出すのは、グラフィックデザインの授業で、雑誌のページをトレースしてこいという無茶な課題に、私は真面目だし器用だし、美しくトレースして提出。彼女はファッションショーのモデルが10人くらい印刷されてるページをセレクトし、なんと人の顔の眉毛と鼻をつなげて仕上げてきた!先生もなんか面白いねー。と言い私も笑えるし、楽しい気分になった。その後、私はグラフィックデザイナーではなくテキスタイルデザイナーを経て、アパレルのデザイナーを長いことこなし、売れるデザインと好きなデザインとうけるデザインと運とタイミングの勉強をお金を頂きながらしました。自分も好きで人に喜ばれる、楽しいデザインをアートを描きたくなった。先ずは、自画像を描いてみた。眼は絶対に点にしたかった。口は笑ってるようにして、ほっぺは丸くしてみよう。鼻は穴だけにしたり、線にしたり、何度も何度も描いてみた。なんか、違う。その時、彼女を思いだし、彼女の描いたトレースを思い出した。これだっ!!亡くなった友人が私にヒントをくれた。笑顔になるように私を導いてくれた。いつまでも私の中で生き続ける友人の笑顔と共に、kaosは生まれた。